第3回ももいろ歌合戦観戦記の総評と紅白との比較

各アーティストや対戦に関する感想は過去記事に、まだ読まれてない人は以下からどうぞ。

第3回ももいろ歌合戦観戦記 年忘れももクロライブ~年の瀬芸能ショー編
先に総評的なことを言っちゃうと、今回の歌合戦は過去最高の出来で3回目にしてそのスタイルが一応の完成を見たかなと思う。 ということで、今年はたぶん大きな変化はないと思うし、特に変えるべき点も現時点では思い当たらないかな、細かな部分を除いては。
第3回ももいろ歌合戦観戦記 オープニングから4回戦まで
塩乃華織さんは、ももクロのチーフマネージャーである川上さんがプライベートで訪れたホテルでショーに出ていたところで見つけられたんだよね。 そういう出会いがなかったら、今回の横浜アリーナのような大きな舞台には立てていなかったんじゃないかな。
第3回ももいろ歌合戦観戦記 5回戦から12回戦まで
Creepy Nuts の「あゝオオサカ dreamin' night」がかかった時、Creepy Nuts に対してなのかヒプノシスマイクに対してなのか、客席から女性ファンの悲鳴が聞こえてたね、ラップは今それくらい人気があるってことかな。
第3回ももいろ歌合戦観戦記 13回戦から16回戦まで
松本明子さんは美空ひばりさんの「お祭りマンボ」をカバー、昨年の「津軽海峡冬景色」に続いてのカバー曲の歌唱だったね。 今回は本家紅白のほうでAI技術によってひばりさんを復活させるという企画をやってたから、それに対抗してのものだったんろう。
第3回ももいろ歌合戦観戦記 アイドルメドレーから最終対決まで
実はこの時点で既に22時を過ぎていたので、唯一高校生だった彩木さんは条例の関係で出られなかったのよね。 ということで、こういった企画は今後は22時より前に組んでほしいところ。 でも、それはこの日のたこ虹の横アリへの到着が21時前だったから、スケジュール的に無理だったんだろうな。
第3回ももいろ歌合戦観戦記 結果発表から年越し、両国国技館への移動まで
あと、映像には映ってはいなかったけどアルフィーの坂崎幸之助さんも楽屋のほうに来てたんだよね、バス移動の際には坂崎さん特製の豚の角煮も出てきてたから気づいた人もいるだろう。 その坂崎さんはラジオのほうには出ていて、結構長い時間しゃべってたよ。

しっかりと形になってきたももいろ歌合戦

今回のももいろ歌合戦、この「観戦記」シリーズの最初にも言ったんだけど、3回目にしてしっかりと形になってきたよね。

ちなみに、第1回が行われた時にチータ(水前寺清子)さんは「これは5回、10回と続けていくことが大事」と言っていた。

チータさんはちゃんと長期的な視野で見てくれているんだね、それはとてもありがたいこと。

そして、ステージに立てるうちはずっと出てくれるんだろうね。

チームももクロはその言葉のとおりに回を重ねてきて、イベントとしてのクオリティーは早くも本家紅白に対抗しうるものに育ったと思う。

今後はここで出来上がったものをひな型にしつつ、その時々の状況によってアレンジを加えていけばいいんじゃないかな。

もちろん、その中で何か問題が出てきたらその都度修正を加えてより良い形にしていくことは怠らずにね。

今も変わらぬ「国立川」スピリット

この観戦記を書いている中で、ボクは立川フロム中武の屋上での「国立川」を思い出したんだよね。

いつか国立競技場でライブがしたいという想いから、デパートの屋上に国立競技場を模したセットを作って行ったあのライブ。

このももいろ歌合戦も「出られないんなら自分たちで作っちゃえ!」ってノリで立ち上げたもので、発想は「国立川」とおんなじなんだよね。

ももクロはビッグな存在となった今でもその頃のスピリットはずっと持ち続けてるんだよね、つまり根本的な部分では何も変わってないってこと。

変わった部分ももちろんあって、それはスキルとかスケールね、できることが格段に増えたってこと。

「国立川」は国立とは比較するのが失礼なレベルだったけど、当時はそれが精いっぱいだったのよね。(メンバー、運営ともにね)

それに対して、今回のももいろ歌合戦は本家と比べても何ら見劣りしてないというか、すでに超えてる面すらあるとボクは思っている。

紅白が絶対にももいろ歌合戦に勝てないところ

ももいろ歌合戦が紅白に勝っているとボクが思っているところは2点あって、一つは音楽に対するリスペクトね。

それは、全ての演目がフル尺であるところによく表れている。(メドレーは除く)

少し考えれば分かると思うけど、楽曲に端折っていいところなんて本来あるわけがないんだよね。

作者が推敲を重ねて出来上がった作品に余計な部分なんてあるはずないでしょ、そんなものは製作段階でそぎ落とされてるに決まってるじゃん。

だから、楽曲は歌詞の一言一句、たった一つの音符、休符でさえも端折っちゃダメなのよ。

それをするのはテレビの傲慢、作品に対するリスペクトの欠如の現れだとボクは思ってるのよね。

そういう悪しき慣習は、たぶんテレビの黎明期に音楽を知らないスタッフが始めたことなんじゃないかな。

そしてそれが今もなお惰性で続いているというわけ、これまでの間に誰も改善を試みなかったのかね?

紅白とももいろ歌合戦、歌唱時間を比較してみると

ボクは今回の紅白は全く観ていないんだけど、聞いた話では出場数十回を誇る大御所の歌唱でさえ2分ちょっとだったんだとか。

そこから考えると、本家のほうは出演者の質、量こそ見栄えはするものの、内容は薄っぺらいものだったんじゃないかな。(そこはあくまでボクの想像だけど)

ちなみに、紅白の演目は企画ものを含め全部で51あったみたいね。

そこで、仮に一曲当たりの歌唱を2分30秒として全体での歌唱時間を計算してみると、2時間1分30秒となる。

それに対して、ももいろ歌合戦の演目は企画ものを含めて40だった。

そこで、フル尺一曲当たりを4分として計算してみると2時間40分となるので、全体の歌唱時間はももいろ歌合戦のほうが長いことになる。

一つ断っておくと、紅白の歌唱時間2分30秒というのは甘めに設定しているのに対して、ももいろ歌合戦の4分というのは厳しめの設定だからね。

例を挙げると、「キズナミュージック(Poppin’ Party )」が5分17秒、「Y(C&K)」が5分04秒といった具合に長いので、平均値ではおそらく4分を超えるだろう。(メドレーなんかは4分よりはるかに長い)

モノノフが生み出す会場の一体感

もう一つももいろ歌合戦のほうが勝っていると思うところは、会場の一体感ね。

これに関しては今後も絶対に本家に負けることはないと確信している、何故なら観客の構成が紅白とももいろ歌合戦では全く違うから。

紅白の観客はたくさんのアーティストのファンによる寄り合い所帯、だからどんなに頑張ったってももいろ歌合戦のような一体感は出せないと思うよ。

ももいろ歌合戦の一番の強みは、会場の多くを占めるモノノフが生み出す一体感だと思うのよね。

どうしてそんな一体感が生まれるのかというと、推しの主催するイベントに出てくれたアーティストに対するおもてなしの精神があるから。

モノノフ的には、そこでゲストに不快な思いをさせたら推しの顔に泥を塗ることになるという想いもあるから、そこはなおさら盛り上げるでしょ。

だから必然的に全てのゲストにとってホームの環境が出来上がり、それでゲストがより一層パフォーマンスに力が入ることでいいライブになるという理想的な空間なのよね。

これと同じことを紅白でやれと言っても無理な話、観客はそれぞれの推しに対する想いがあるだけで、みんなで盛り上げていいライブを作ろうとか思ってないんだから。

あ、これは決して紅白を批判してるわけじゃないからね。

観客のそもそもの目的が違うから同じにはならないってことを言ってるだけ、それは良いとか悪いという話ではない。

フル尺に象徴される音楽に対するリスペクトからくる中身の濃さ、モノノフを中心に生み出される会場の一体感、ももいろ歌合戦はわずか3回目にして早くも紅白に勝てるくらいの強力な2つの武器を持っているんだよね。

一つ補足すると、MC である東京03とももクロのチームワークね、これも即席チームの紅白にはマネできない強み。

紅白がもももいろ歌合戦に勝っているところは

では紅白のほうが勝っている点はというと、まずは地上波による全国ネットというところかな。

ももいろ歌合戦のほうも Abema TV は日本国内ならどこからでも視聴可能だから全国ネットと同じとも言えるんだけど、まだテレビほどには普及してないからね。

この状況が逆転するのにはまだ10年くらいはかかるかな、少しずつその差が詰まっていくことは間違いないんだけど。

もう一つは過去の実績による固定のファンがいること、どんな業種でも固定客がいるのは強いのよ、やっぱり。

まあ、これに関しても時間の経過によって差は詰まっていくから、ももいろ歌合戦はとにかく続けていけばいずれ逆転できるだろう。

さらにもう一つ、これも過去の実績から来てるんだけど、確固たるブランドイメージが確立されてるところだね。

実際、紅白に出たいってアーティストは多いけどもももいろ歌合戦に出たいって人はまだ少ないでしょ。

これに関しては単に時間の経過だけでは埋められないものがあるよね、でもどうにもならないというものでもないと思う。

常に観る者が満足するレベルのイベントを続けていれば、そのうち信用は必ずついてくるからね。

ということで、現時点ではまだ紅白のほうが勝っている部分も、回を重ねていくことで少しずつ勝負できるようになっていくんじゃないかな。

今後への期待

以上のことを踏まえて、ボクは今のももいろ歌合戦なら地上波放送で紅白と真っ向勝負してもいいと思っている。

てゆうか、ぜひやるべきでしょ!

まあ、実際問題として視聴率で今すぐ勝てるとは言わないけど、続けていくうちにはそういう日が来ないとも限らないとは思ってる。

そうは言っても現時点でもそこそこいい勝負はすると思うよ、でなきゃやれなんて言えないしね。

なので、Abema TV と提携しているテレビ朝日は真剣に検討してほしい。

地上波放送でネックになること

でも、いざ地上波でやるとなったときには一つ大きな問題があるのよね。

それは、上記では言わなかったけど NHK には CM がないということ。

テレ朝が中継するとなると、民法である以上どうしても CM が入るでしょ。

この差は思った以上に大きいのよね、進行にも影響するし。

CM 中、現場のほうは第2回の時にやった「ちいたん☆の挑戦」みたいな余興で間をつなぐことになるだろうけど、テレビの視聴者にとっては CM は「おトイレタイム」かチャンネルチェンジのタイミングだもんね。

これが民法が紅白に勝てない理由の一番なんじゃないかとボクは思ってる、それでもクオリティーの高いコンテンツを提供し続ければいつか追いつき、追い越す時が来るんじゃないかな。

問題はそこまで気長に中継局が待ってくれるかということだよね、現代は特に即効性が求められるから。

まとめ

いろいろと言ったけど、ボク自身は既にネットで快適に視聴できてるから、べつに地上波でやらなくても何の問題もないんだけどね。

ただ、せっかくこれだけクオリティの高いコンテンツを生み出したんだから、それを世に問うてみる価値はあると思う、「皆さん、こんな面白いのありますよ?」って。

レストランで食べた料理がめちゃめちゃ美味しかったとか映画を観て感動したとか、そういうのって人に紹介したくなるでしょ?そんなかんじ。

世の中には未だにネットに馴染みのない人って少なくないからね、そういう人には地上波を通してしかアプローチできないもんね。

まあ、そんな人はぶっちゃけ放っておいてもいいんだけど(いずれは絶滅するので)、「新国立」というテーマで考えたらアプローチする価値もあるかなと。

というわけで、モノノフさんはテレ朝をももいろ歌合戦の地上波での放映をリクエストしてみたら?

PS. 今回の記事でこのシリーズを終えるはずだったんだけど、次回の展望を書く前のこの時点でかなり長くなってしまったので、この続きはまた次回に。

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