下手な英語は悪目立ちするだけ
もしも、マライア・キャリーが「HERO」を日本語で歌ったとしたら、しかもそれがカタコトの日本語だったとしたら、あなたは売れると思う?
原曲は紛れもなく名曲で涙した人もたくさんいると思うけど、やっぱり微妙だよね、きっと発音とか気になっちゃって泣けないと思う。
まあ、それでも日本のファンへの想い、気遣いは感じられるだろうけど。
だから、気持ちはありがたいけど英語のままで歌ってほしいというのが正直なところじゃないかな。
そう考えたら日本人がカタコトの英語で歌うのがダメなのは理解できると思う、過去にアメリカ進出した日本人アーティストの失敗の理由の一つは間違いなくそれ。
もう一つ大きいのは時代の違いだよね、以前はまだネットがなかった、もしくは普及してなかったからさ。
なので、どんなに日本で有名になっても向こうでは全くの無名なわけで、一からプロモーションしなきゃいけなかったの、それだと向こうの新人とも変わらないでしょ。
BABYMETALはそういう面でラッキーだったとは言えるかな、ネットのおかげで初めからある程度の知名度がある状態で出て行けたんだもんね。
てゆうか、これからの時代は地理的な有利不利というのはなくなっていくんだろうな、人間の生活空間が物理空間からどんどんネットという情報空間に移って行ってるんだから。
ネイティブ英語の宇多田ヒカルさんでも通用しなかった
話を戻して、じゃあ完璧な英語ならいいのかというと、それもやっぱり違うと思うのよね。
だって、あの宇多田ヒカルさんだってダメだったでしょ?彼女はニューヨーク育ちのネイティブスピーカーなのに。
英語が完璧ということは耳通りがいいってことだよね、でもそれだと違和感がないから逆に印象には残りにくい。
そうなるともう単純に楽曲や歌唱力の勝負になっちゃうでしょ、宇多田さんにとってそれが不利とまでは言わないけど、さすがにちょっと競争相手が多過ぎるよね。
ビジネス用語で言うところの「レッドオーシャン」、そこで勝ち残るのは誰だって大変なのよ。
100人で競うのと10,000人競うのだったらどっちが大変かって、それはもう言うまでもないだろう。
完璧な英語を話す外国人は珍しくない
多くの日本人が誤解してるかも知れないけど、完璧な英語を話す外国人なんて欧米の多くの国のような多民族国家では珍しくもなんともない、むしろ話せるのが当然くらいに思ってるんじゃないかな。
そんなだから、英語が話せたからといって褒められるとか特別に好意的に思ってもらえるなんてことはない。
それどころか、向こうではちょっとでも聞き取りにくかったりしたら「お前は英語が下手くそだな!」ってダメ出しされるらしいよ。
日本人ならそこで「日本語、お上手ですね!」って、かなり拙い(つたない)日本語だったとしても褒めてあげるでしょ?
それを世界標準だと思っちゃいけない、日本の常識は世界の非常識はここでも健在なんだね。
ちなみに、アメリカ人はイギリス英語でさえ受け付けないみたいよ、イギリスのヒットチャートで1位になるような曲がアメリカではさっぱり売れないってケースがあるのはそのため。
そういったことを考えると、「Elevator Girl」の英語バージョンって微妙じゃない?
日本語を英訳しても意味は伝わらない!?
エレベーターガールということについて言えば、外国人はその概念を理解できるのかね?
ごく簡単に調べた限りでは一応海外にもそういうサービスはあるみたい、というか、あったと言ったほうがいいのかな。
少し前まではあったみたいだけどほとんど残ってないみたいね、若い人の中には既に知らない人もいるのでは?
そもそも日本語詞を英訳しても、その世界観を外国人が理解できるのかという問題もあるよね。
日本人がアメリカンジョークを理解できないことってあるでしょ?それは文化的背景を知らないから何が面白いのかが分からなかったりするから。
それはもちろん逆もしかりで、日本の文化とか日本人の思考が理解できてないと伝わらないのよね。
一例として、「4の歌」なんか英訳したら全く通用しないでしょ、そもそもが日本語のダジャレというか言葉遊びみたいなもんなんだから。
「PA PA YA!!」だってそうだよね、べつにパパイアについて歌ってるわけじゃなくて、ただお祭り感のある語感のいい言葉を充てたってだけ。
「4の歌」や「PA PA YA!!」は極端な例かもだけど、他の曲でもある程度は伝わったとしても微妙なニュアンスまでは伝えきれないんじゃないかな。
紅月で泣く外国人
そういう部分は言語が違っても歌に感情が入っていればちゃんと伝わるもんだから、無理に言葉で伝えようとしなくてもいいと思う。
実際「紅月 -アカツキー」で泣いてる人とかいるしね、日本語なんか全く分からなくても。
そもそも日本語って主語を省略したりとか、かなり曖昧(あいまい)だったりするからね。
それに、歌の中では狙って曖昧にしてるケースもあるよね、それが誰かを敢えて言わないことでリスナーに解釈の幅を持たせてるといったような。
英語とかは主語をはっきりしないといけない言語だからそういう技法は使えない、そうなるともう訳すのにも無理があるよね。(表現する方法自体はあるのかもだけど)
そういえば、東大教授で日本文学を研究しているロバート・キャンベル氏が井上陽水さんの詞(曲)を英訳したんだけど、やっぱり主語の問題などで(理由は他にもある)かなり難しかったって言ってたよ。
結論
そんなわけで、BABYMETALはこれからも日本語で歌うべきと思うし、それこそが成功の一番の要因じゃないのかな。
そして、これから世界を目指すアーティストも日本語で勝負したほうがいいよね。
日本語は決してハンデではなく大切な武器なのである、でもMCやインタビューのためにちゃんと喋るようにしておいたほうがいいよ。
普通に受け答えはできるけど歌う時は日本語、それが一番クールなんじゃないかな。
あと、同様の理由から日本で活動する地方アイドルなんかは方言を使ったほうがいいよね。
そう考えると、一番可能性を秘めてるのは福岡の「ばってん少女隊(ばっしょー)」なんだよね、ボク的には。
ばっしょーは国内では博多弁で差別化できる上にそのまま世界にも出て行けちゃうもんね、それにプラスしてスカという武器まであるという。
メンバーや運営は早くその大きなチャンスに気づいてほしいな、みんな一緒にマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)で「おっしょい!」しようよ。
あれ?最後はばっしょーの話になっちゃったな。
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