BABYMETAL【2021.10.10 封印 キツネ様のお告げ】を読み解く

BABYMETAL の海外遠征の実態

「日本のアーティストを売り込め!実践者が明かす海外攻略の全ノウハウ」という本があって、日本人アーティストが海外で活動するためのノウハウが著者自身の体験を元に書かれている。

Bitly

その中に、BABYMETAL に関する記述があったので少し引用しておこう。

これまでに X JAPAN や L’Arc-en-Ciel など日本を代表するロックバンドが欧米ツアーを行って、L’Arc-en-Ciel は当時日本人アーティスト初のマジソン・スクエア・ガーデン公演を実施1万2000人を動員した。きゃりーぱみゅぱみゅ、MIYAVI などもワールドツアーを数回実施している。そしてメタルバンド BABYMETAL は2016年、英国のウェンブリー・アリーナ(現 The SSE Arena)で日本人初の公演を行った。この会場は収容人員1万4000人で、ビートルズやクイーンなど世界の名だたるアーティストが講演を行ってきた名門の会場。そこで日本人アーティストがワンマン公演を実施するなどこれまで夢想だにしなかった衝撃的なニュースだ。

さらに2019年には米国ツアーを成功させたり、世界を代表するロックバンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのワールドツアーでオープニングアクトを務めるなど、これまでの日本の常識を覆した。ONE OK ROCK も全米ツアーに加え欧州ツアーも敢行するなど、日本の音楽が興行という形で欧米で確実に受容されているのだ。

日本のアーティストを売り込め!実践者が明かす海外攻略の全ノウハウ 日経BP P.37-P.38

そんな華々しい活躍の BABYMETAL なんだけど、そうした実績とは裏腹に収支的な面では必ずしも成功とは言い難いものであった可能性が上記の続きの中で指摘されている。

このように、日本人アーティストの欧米での成功例が積み重なってきていると実感する。一方で上記を述べたうえで、そもそも何をもって成功と認定するのかによって判断は変わってくる。楽曲の配信やダウンロード実績なのか、音楽チャートか、観客動員数か、はたまた興行売上金額なのか。これだけ音楽のジャンルや楽曲の販売形態が多様化する昨今、坂本九のようにビルボードチャート1位を獲得するのは至難の業と言わざるを得ない。

その意味では、観客動員数だけでなく出演費、それも手元に残る本来的な出演費の額が成功を判断する1つの指標になると思う。通常、出演費いわゆるギャラは、ステージ製作費、渡航費、リハーサル費、移動費、場合によっては食費、宿泊費など諸経費が控除されるので、、手元に残る額が時には赤字になるケースもある。その意味では記述した一部のアーティストを除き欧米公演で大成功したアーティストは現時点ではほぼ皆無ではなかろうか。

確かに1万人規模の会場で公演を実施して、日本円で数千万円相当の出演費を獲得したアーティストがやバンドがいるのは事実だと思うが、これら渡航費やスタッフ経費などを控除したら、手残りがほぼないケースがほとんどだと推察される。コンサートグッズの売り上げで何とか利益を出しているのが本音だろう。

日本のアーティストを売り込め!実践者が明かす海外攻略の全ノウハウ 日経BP P.38-P.39

ここまで読んでみたうえでのボクの推測では、BABYMETAL も海外活動での収支は良くてトントン、会場単体で計算したら赤字のところもあったのでは?

それを裏付けるような記述が『「Jポップ」は死んだ』という本の中にあるので、そちらもちょっと引用しておこう。

多少脱線だが、JASRAC の統計にはもうひとつおもしろい役立て方がある。「海外で流行した日本発の歌」が毎年、金額で把握できるのだ。「きゃりーぱみゅぱみゅが海外で大人気」「BABYMETAL が坂本九の『上を向いて歩こう』以来のビルボードヒットチャート入りを果たす」などなど、時おり音楽業界や周辺のマスコミが「日本の音楽が海外進出」と大騒ぎする。それでは、海外のリスナーは、そういった歌手やグループにどれくらいのお金払ったのか、それが統計でわかるのだ。
例えば、「JASRAC 賞2016」から、二〇一五年度に海外で放送や CD に支払われ、日本の著作権者に送金された額のベスト5を見てみよう。

①キテレツ大百科 BGM
②忍たま乱太郎 BGM
③ドラゴンボール Z(テレビ)BGM
④NARUTO―ナルトー疾風伝 BGM
⑤ポケットモンスター BGM
( BGM は劇中曲のこと)

こうして過去分も見ていくと、海外で多数使用され、その著作権使用料が送金されてくるのは、ほとんどがアニメの劇中曲である。「きゃりーぱみゅぱみゅ」や「BABYMETAL」は私が調べたランキングには出てこなかった。

Jポップ」は死んだ 扶桑社新書 248P.180-P.181

「Jポップ」は死んだ (扶桑社BOOKS新書)
かつての「ヒットの教科書」が大不況に喘いでいる。一体「Jポップ」に何が起きて...

そんな状況だから、BABYMETAL も利益の多くは国内公演で稼いでたんだろうね。

ただ、上記は2015年のデータでまだ本格的に海外進出して2年目のことだからね。

セカンドアルバム「METAL RESISTANCE」が発売された2016年以降は、ベスト5に入ったかどうかは別としてもっと金額は増えていたはずである。

あと、上記のデータはあくまで著作権使用料であってそこには興行収入等は含まれていないから、それだけを見てさほど海外で活躍はしていないということにはならないよね。

それでも積極的に海外、とりわけ欧米へと出て行ったのはやっぱりロマンがあるからなんだろうし、それ以前に「世界征服」というのがメンバーの夢だったからだろう。

海外遠征は思った以上に大変

実は、欧米で成功することはボクら一般人が考えるよりはるかにハードルが高いものみたいなんだよね。

それは、まず渡航費が高いうえに時間もかかるので、付随して宿泊費も相応にかかることになる、つまりは高コストってこと。

さらに、ビザの取得が面倒なうえに高いとのことで、再び「日本のアーティストを売り込め!実践者が明かす海外攻略の全ノウハウ」から引用しよう。

(略)欧州はまだしも米国のビザ取得は面倒なうえに高い。なにしろ米国のビザは受理されるまでのハードルが高い。というのも、興行ビザ申請のための提出書類が多く、記入にも膨大な時間を要し、さらに費用が1人当たり数十万円程度かかるからだ。1人当たりの申請書類はデータ上で8枚分あり、30分以内に保存しないとすべてのデータが消去される仕組みになっている。記載事項は家族構成、学歴、住所、電話番号、婚姻の有無など詳細にわたり(後述するが中国のビザもほぼ同様の情報が求められる)、加えてアーティスト本人の出身国での活動実績提出が求められる。具体的には新聞、雑誌、ウェブに取り上げられた CD 評やライブレポートを20~30点分収集、内容を英訳しなくてはいけない。これは、アーティストが米国で公演するにふさわしい人物なのかを評価するためとのこと。値踏みされているようであまりよい気分とはいえない。こうした手続きを終えた後、現地主催者を通じて移民局からビザの通知が来るまで2カ月以上かかる。その後アーティスト本人が(代理人は基本不可)在日米国大使館で面接を受け2~3日後にビザを受け取れる仕組みだ。ビザ申請を考えただけで、私個人は米国興行を躊躇(ちゅうちょ)してしまう。

日本のアーティストを売り込め!実践者が明かす海外攻略の全ノウハウ 日経BP P.40

チーム BABYMETAL もこんな面倒な過程を経て全米ツアーとかやってたんだね、そのうえ実入りも少ないというのに。

まあ、世界進出というのも単なるロマンだけでなく確かな勝算もあってのことなんだろうけどね、順調ならこれから過去の投資を回収できるという見通しがあったのではないかな。

そんな中、突如として起こった新型コロナウイルスのまん延、これによって計画を根本から練り直す必要が出てきたんだろうね。

BABYMETAL、活動を休止?

2021年8月3日、BABYMETAL は突如として以下のようなキツネ様のお告げを発表した。

来る、2021年10月10日(日)「METAL RESISTANCE」全10章の完結と共に10年間の「LEGEND」は「封印」される

BABYMETAL は「封印」が解かれるその時まで我々の前から姿を消すことになるだろう

残された時間はあと僅か神の降臨に永遠はない

BABYMETAL
「10 BABYMETAL LEGENDS」シリーズスタート! 10年間のLEGEND=ライブの集大成となる最後のスペシャルコンテンツが登場 LIVE VINYL SERIES、EXHIBITION、LIVE HISTORY BOOKにコンパイルした アニバーサリーイヤー最後の「LEGEND」を目に焼き付けよう。

お告げの中にある「LEGEND」というのは、ライブのことであるとオリコンやナタリーなどの音楽サイトでは報じられている。

だから、このお告げを素直に読めばライブ活動の休止ということになるよね。

今回の決定はコロナ禍という現状を踏まえてのことなのか、それとも10周年という節目を考えたらこれが既定路線だったのか、本当のところはキツネ様のみぞ知るというところだろう。

でも、ここまで見てきたようにビジネス的なことを考えると既定路線だったというのは考えにくいよね。

なので、やっぱりコロナ禍による方針転換なんだろうと思う。

方針転換を余儀なくされたのは、ライブ活動が思うように行えなくなったからで間違いないだろうね。

BABYMETAL 弱点がこのコロナ禍によって露呈してしまったかな、BABYMETAL は他のアイドルさんと比べてキャッシュポイントが少ないのよ。

ご存じのように BABYMETAL は握手会などの接触イベントも行っていないし、個人での SNS もやっていない。

さらに言うと生写真の販売も行っていない、これもけっこう馬鹿にならない収入源なんだよね。

まあこんな状況下なんで接触イベント自体は激減してるんだけど、その代わりにネットサイン会とかお話会なんてのが増えていたりする。

みんなそうやってこの急場をなんとかしのいでるわけだけど、BABYMETAL はそのキャラ設定によりそういったことができないんだよね。

ここ一年の間やりすぎではと思えるほど10周年関連の商品を乱発しているのも、きっとそういう背景があってのことなんだろう。

復活はあるのか?あるとしたらいつなのか?

さて、キツネ様は「封印」が解かれるその時まで我々の前から姿を消すと言っている。

これはアフターコロナの世界を見据えていると受け取っていいだろう、ライブができるような状況になればまたやると示唆しているとみてまず間違いない。

まあ希望も込めてそう思う、というかそう信じたいよね。

今回のお告げに対して、ファンの中には色々と深読みをする人もいるみたい。

ボクも一つのケースを考えた、それはライブ活動は休止するけど新曲のリリースなど音楽活動自体は継続するというもの。

そういう前例は既にあって、もう亡くなられてしまったけど大滝詠一さんがそうだった。

大滝さんって、その生涯の中でも数えられるほどしかライブをしなかった人なのよね。

主に楽曲提供やプロデュースをしていたんだけど、たまに自分の作品なんかも発表して「幸せな結末」といった大ヒットを飛ばしてもいた。

大滝詠一の"幸せな結末"
大滝詠一の"幸せな結末"をApple Musicで聴こう。1997年年。時間:4:36

最近だと「君は天然色」がアニメのエンディング曲に使用されてたりして、若い世代にも浸透してるみたいね。

この曲、昔から CM なんかで使われることが多くて40年経った今でも聴いたことある人は多いんじゃないかな。

ちなみに、日本で初めて CD として発売されたのは大滝さんの「A LONG VACATION」なんだよね、それ以前はまだアナログレコードの時代だった。

大滝詠一の「A LONG VACATION」
アルバム・1981年年・10曲

そんな大滝さんの例に倣って BABYMETAL もライブ以外の活動は続けるのでは?なんてことを考えてみたってわけ。

でも、「封印」が解かれるその時まで我々の前から姿を消すとキツネ様が言ってるんだから、額面どおりに受け取ればやっぱり普通に活動休止なんだろう。

それでも復活するときに突然新曲リリースなんてことはあるかも知れないね、前触れなしでそれをやったらインパクトは計り知れないな。

あと、休止期間中はメンバーそれぞれが個人活動をすることが予想されるね。

もちろん、その時は「世を忍ぶ仮の姿」である中元すず香、菊地最愛としてだろう。

下世話な話だけど、休止期間中に何もしなかったら無収入になってしまうからソロ活動はするだろうね。

でも、二人ともさくら学院を卒業して以降は仮の姿では活動してないよね?

だとすると、いきなりBABYMETAL を離れてどんな活動ができるんだろう?

BABYMETAL としてはそこそこ世間一般にも認知されてはいるだろうけど、仮の姿に関しては知名度ゼロに近いはずだから(地上波)テレビの仕事なんかは難しい気がする。

だって、BABYMETAL としての活動に関する話題はアンタッチャブルだろうからさ。

そういったことを考えると、ソロ活動は舞台というのが一番ありそうな線で、音楽活動というのはちょっとイメージできない。

個人的にはソロ歌手としての中元すず香を見てみたいけどね、SU-METAL とは違う姿を。

というわけで、BABYMETAL 休止期間中の仮の姿も復活後の姿も、どちらも楽しみに待つことにしよう。

あ、その前に2021年10月10日にライブはあるのかどうかという問題もあるよね、どうなんだろう?

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