前回記事は以下から。
信じられますか?
「あなたはプラシーボ 思考を物質に変える」という本があります、プラシーボ(プラセボともいいます)とは“偽薬=ニセモノの薬”のことです。
ごく簡単に説明すると、フリスクのようなタブレットであってもそれをよく効く薬だと信じて飲めば、本物の薬と同じように身体に作用するということで、その作用を「プラシーボ効果」といいます。
プラシーボ効果のからくりは「思い込み」です、病気やケガが治るという確信が自らの自然治癒力を引き出すことで実際に治っていくんですね。
この本では様々なプラシーボ効果の実例とともに、病気やケガの改善に合わせて脳内の神経ネットワークも変化することが紹介されています。
それだけでなく、自分自身でプラシーボ効果を起こす方法も書かれていて、とても興味深い内容となっているんです。
あ、「自分自身でプラシーボ効果を起こす」って変な言い方ですね、そもそもが自分自身で起こしているものなんですから。
正しくは、無意識的にではなく意図的に、つまりは意識して(自力で)プラシーボ効果を起こす方法です。
この本、とても分厚くて一般的な本の2~3倍の情報量なうえに専門用語も出てくるので、あなたがすぐに読んで理解するのは難しいかも知れませんね。
それでもこれは、あなたにもぜひ読んでほしい本です。
なぜなら、この本には夢実現のために重要なポイントがいくつも書かれていて、人生を激変させるだけのインパクトがあるからです。
これは医学系の本というイメージを持ったかも知れませんが、実は著者の主張はボクの本業でもあるコーチングとほぼ同じなんです。
プラシーボ効果というのは、未来のあるべき姿(こうなってほしいという姿)をリアルにイメージすることで起こるもので、それはそのままコーチングの技法と同じなのです。
というわけで、今回はこの「あなたはプラシーボ」に載っている事例を紹介、解説していきますね。
これらの事例を知ると、あなた自身が「奇跡」を起こせることを確信できることでしょう。
完治不可能と言われた大怪我が完治!
あれは美しい南カリフォルニアの、四月のある日のことだった。パームスプリングスで開催された鉄人レース(トライアスロン)の協議中、わたしは SUV に轢かれるという名誉に預かった。その瞬間、私の人生は変わり、それまでとまったく違う旅が始まった。
(中略)
事故後すぐに分かったのは、背骨の椎骨を6個骨折したことだった。胸椎8,9,10,11,12番と、腰椎1番の圧迫骨折で、患部は肩甲骨から腎臓までにわたっていた。椎骨とは背骨に沿って積み上げられている背骨の一単位のことで、あの勢いで地面に叩きつけられたため、私の椎骨は衝撃で圧縮破砕してしまったのだ。骨折した中で一番高い位置にあった胸椎8番の損傷は60%を超え、神経弓(脊髄を包み保護している輪)はプレッツェルのように押しつぶされていた。椎骨が圧迫骨折を起こすと、砕けた骨の破片はどこかに行くことになる。私の場合、粉々になった破片のほとんどが脊髄に収まった。それはどう見積もってもよくない兆候だった。
著者であるジョー・ディスペンザ博士は、トライアスロン中に車に轢かれ再起不能とも思える大怪我を負いました。
医師からは、手術によって再び歩けるようになったとしても何らかの身体障害は残り、慢性的な痛みが一生続くだろうことを告げられます。
医師からそのような宣告を受けた場合、普通ならほぼ全ての人がその言葉を受け入れるとともに、自分の未来を絶望することでしょう。
当時の私はまだ恐れを知らない若者だったからかもしれないが、私は医療モデルの最善策や専門家の提言には従わない選択をした。私たち一人ひとりのなかには生命の源泉としての叡智、目に見えない意識が内在している、と私は信じている。
でも、博士は手術を拒否して退院してしまったんですよね。
手術をしなければ麻痺が起こり、一生歩けなくなると警告されたにもかかわらず。
そして、自らの信念に従い自己ヒーリングを始めます。
人は起きてほしいことよりも起きてほしくないことをイメージする
私は1日1~2回、2~3時間かけて内面に入り、望む結果である、完璧に癒された背骨を心の中で創造しはじめた。当然ながら、自分がいかに無意識で過ごしてきたか、集中できないかに気づかされた。これまで危機や心的外傷が起きると、人は起きてほしいことではなく、起きてほしくないことに注目し、多くのエネルギーを注いできたことにも気づいた。それは何とも皮肉なことだ。初めの数週間の間、私はたびたび起きるこの傾向に罪悪感を覚えながら過ごした。
「これまで危機や心的外傷が起きると、人は起きてほしいことではなく、起きてほしくないことに注目し、多くのエネルギーを注いできたことにも気づいた。」
これ、あなたにも経験があるんじゃないでしょうか。
人は何故か、起きてほしいことではなく起きてほしくないことを考えてしまう傾向があります。
ミスしたくないと思うとミスをしてしまうのは、まさにそれが原因です。
本来は上手くやれている自分をイメージしなければならないところを、ミスする自分をイメージしてしまうことでそれが現実となってしまうんですね。
背骨が全快した理想の日々を瞑想でイメージしている最中、私は唐突に数週間前に医療チームに言われたこと —もう恐らく一生歩けないだろうということ— について無意識に考えていることに気がついた。心の内面で背骨の再建をしている最中にカイロプラクティック・ビジネスの廃業を考えている自分がいたのだ。
(中略)
注意が逸れて心が違う方向に彷徨(さまよ)いはじめるたびに、私はゼロからメンタル・リハーサルをやり直すようにした。それは退屈でフラストレーションのたまる過程で、はっきり言って私が人生で直面した最も困難なハードルの一つだった。しかし私の中の観察者が見る、私が最終的にたどり着くべきイメージは一点の曇りもなく鮮明で、一瞬も途切れることがあってはならないと考えた。
(中略)
六週間にわたり自分とを闘い、大いなる意識と一体になるための努力を重ねた結果、私は途中で挫折して初めからやり直すことなく、心の内面で理想のイメージを再建するプロセスをようやく終えることができた。それが初めてできた日のことを今でもよく覚えている。例えるなら、テニスボールがラケットのスウィート・スポットに命中したような手応え —何だかわからないが、正鵠(せいこく)を得たという納得感だ。
未来のあるべき姿をリアルにイメージするといっても、それがすぐにできる人はほとんどいないと思います。
博士の場合でも六週間かかっています、イメージの難易度にもよりますけどやはり同じくらいはかかると思っておいたほうがいいでしょう。
つまり、初めから上手くできなくても当たり前なので、それで落ち込んだり自分を責めたりする必要はないってことですね。
ちょうどその頃から、瞑想で背骨再建のビジョンを想像するにつれ、日に日に体が楽になっていった。特記すべきは、結構な規模で生理的な変化が起きたことだ。心の内面で背骨再建という変化を起こし、それと外面つまり体に起きていることを連携させている時間に劇的な変化が起きたのだ。その連携ができた瞬間、私は一層の集中力と信念を傾けて理想のイメージを想像した。それを何度も何度も繰り返した。その結果、それまでのおぞましいほどの苦痛と努力の連続と打って変わって、繰り返しやるほどに喜びとインスピレーションが湧いてくるようになった。そしてある日突然、イメージを作り上げるのに2~3時間かかっていた瞑想が、もっと短い時間で到達できるようになった。
この頃になると明確に身体レベルで変化が起きていたんですね、イメージの力だけでここまで回復するって驚きではありませんか。
イメージを作り上げる時間が短縮されたのは、痛みが和らいだことで集中力が高まったのと、コツをマスターしたからでしょうかね。
あと、実際に効果が表れてきたことで、「できる!」という確信が強まったことも大きく影響しているでしょう。
ここから博士はさらに未来のイメージを発展させ、怪我が完治した後のことをイメージし始めます。
私には時間がいくらでもあった。そこで私はまた以前のように水辺で沈む夕日を眺めたら、お気に入りのレストランで友人とランチをしたら、どんな気持ちがするだろう、などと思い描くようになった。そしてもしそれらが実現したら、もうどんな些細なことでも、それが当たり前の時間だとは決して思わないだろうと考えた。私は心の中でシャワーを浴び、顔や体に当たる水の心地よさを詳細にイメージした。また想像の中で便座に座り用を足し、サンディエゴのビーチを散歩しながら顔をなでる潮風を感じたりした。
ここで大事なのは身体感覚を伴ってイメージすることです、今まさにそれが起こっているかのようにイメージすると、脳はそれを現実だと認識して反応します。
そして、そのイメージに嬉しい、楽しい、誇らしいなどのポジティブな感情を乗せることです、感情が乗るとよりリアリティーが増します。
それを理解するために、ここでちょっとした実験をしてみましょう。
脳はリアルにイメージしたものと現実との区別ができない
あなたもきっと、梅干しを食べたことがあると思います。(ない場合はレモンでもいいです)
その記憶を引っ張り出してきて、イメージの中で梅干しを食べてみましょう。
まず梅干しを指でつまんで感触と共に香りをイメージします、そうしたらその梅干を口に放り込んでください。
どうですか?あなたの口の中は実際に梅干しを食べた時と同じ反応をしたと思います。
脳はリアルにイメージしたものと現実との区別ができません、というかリアリティーがあるものを現実と理解するんですね。
なので、今現在の自分の姿よりも未来のあるべき姿のほうによりリアリティーがあれば、脳はそのイメージに反応して心身に変化を促します。
イメージだけで未来が変わる、初めに聞いた時にはすぐに理解、信用することはできなかったかも知れません。
でも、このように脳の仕組みを知れば納得ができるのではないでしょうか。
脳がリアリティーのあるものに反応するのであれば、リアルに未来をイメージすると脳はそれを現実だと認識して、現実世界をそのイメージに沿うように変えてしまうので、イメージするだけで夢が叶うというのも脳の仕組みからして当然のことなのです。
もともとあなたが認識している現実も、あなたの脳内のイメージが投影されたものなのですから、イメージが変わればそれに合わせて現実が変わるというのも、当たり前といえば当たり前のことなんですよね。
事故から九週間半で、私は再び歩けるようになり、かつての生活を取り戻した。添え木やギプス、外科手術に頼ることなく、私は完全にに回復した。一〇週間後、私はカイロプラクティックの患者の治療を開始し、十二週間後にはリハビリを続けながら、トレーニングとウエイト・リフティングを再開した。そして今、事故から三〇年が過ぎようとしているが、あれ以来背中に痛みを感じたことは、正直一度もない。
かくして博士は無事に元の姿に戻ることができました、医師から余命宣告を受けたにもかかわらず完治して社会復帰したという人がたまにいますが、そうした奇跡はこんなふうに起きているんですよね。
リスクゼロの夢実現法
さて、あなたはどんな夢を持っていますか?
あなたの夢は、あなたがそれをリアルにイメージすることで現実となります。
それは、あなたにも奇跡を起こせる力があるということです。
まあ、実際は奇跡でもなんでもなくて誰にも備わっている能力なんですけどね。
せっかくそんな能力があるなら使わない手はないですよね、なので遠慮なく使って夢を叶えちゃってください。
この本は、そのための最良のテキストの一つです。
ちなみに、これを実践するにあたって必要なものは未来のイメージだけです、お金もかからなければ何かを犠牲にする必要もありません。
ということで、リスクはゼロなのでぜひやってみてくださいね。
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