2018年のももいろ歌合戦でのたこ虹について
ちょっと古い話になっちゃうんだけど、2018年の大みそかに「ゆく桃くる桃 ~第2回ももいろ歌合戦」ってやったでしょ?
ボクは在宅でテレビ観戦だったんだけど、観ていていろいろと思うことがあったから、今年ももうすぐその時期というタイミングでちょっと書いておこうと思ったわけ。
当日はももクロの妹グループのたこやきレインボー(たこ虹)が出ていて「RAINBOW ~私は私やねんから~」を歌ったんだけど、一部のファンからその演出に対して批判の声が上がってたのよね。
問題の演出とは、今は引退してしまった新日本プロレスの「怨念坊主」こと飯塚高史選手がたこ虹の歌唱中に乱入し、堀くるみさんをカナディアンバックブリーカーで抱え上げ拉致するというもの。
なので、歌はもちろんそこで中断されてしまい、しばらくの茶番の後に再開して最後まで歌ったんだけど、虹家族(注. たこ虹ファンの総称)さんの中にはそれを快く思わなかった人がけっこういたみたい。
アイドル業界はレッドオーシャン
まあ、歌唱を中断されるのは音楽を楽しむ人にとっては決して良い演出とは言えないのは確かだけど、ボクはあれでよかったと思ってるのよね。
というのも、あれによって多くの人の記憶に残っただろうから。
ちょっと考えれば分かることだと思うけど、あそこで一番ダメなのは何の爪痕も残せないことでしょ、だからあれはあれで正解だと思うのよね。
なんてことを言うと「たこ虹は普通に歌っても爪痕は残せる!」って反論もあるかもだけど、そう思うのは残念ながら「推し補正」というバイアスがかかってるから。
いや、ボクだって決してたこ虹を過小評価してるわけじゃないのよ、実力はちゃんと評価してるつもり。
でもね、今はちょっと時代が悪いんだな、それに関しては彼女たちには何の罪もない。
時代が悪いとはどういうことかというと、今のアイドル業界が超のつくほどの過当競争、ビジネス用語で言うレッドオーシャン状態だってこと。
たこ虹が歌やダンスで勝負してはいけない理由
そんな中ではちょっとくらい歌やダンスが上手い程度では売れないのよ、もっと強いインパクトがないと。
それは飲食業界ともよく似てる、飲食の世界もアイドル以上に激烈な過当競争だからね。
実際、あなたの身近でも美味しいお店がどんどん潰れていってるでしょ?
それって決してよその店よりおいしくなかったからじゃないのよ、潰れたのは一言で言うとお店の存在に気づいてもらえなかったから、味がどうこうとかいう以前の問題なわけ。
そんなふうに真面目な店主ほど味やサービスで勝負しようとするんだけど、実際は勝負はその前の段階にあってまず知ってもらうことなのよ、むしろそれが全てと言ってもいいくらい。
話を戻すと、歌が上手いということであればせめて「Little Glee Monster(リトグリ)」くらい歌えないと難しいと思うよ。
そのリトグリだってただ単に上手いだけで売れてるわけじゃなくて、美しいハモりという特徴があるからこそ耳に留まるんだよね。
ダンスで言うなら「E-Girls」とかダンスに特化したグループがいるから、そういうのと比べられたらやっぱり分が悪いでしょ。
ということで、たこ虹が歌やダンスで勝負したって今のような過当競争の中では勝ち目は薄いのよね。
あ、それは楽曲についても同じだからね。
「RAINBOW ~私は私やねんから~」はボクも好きで名曲だと思ってるけど、やっぱりそれだけじゃ売れないのよ。
それで売れるんならもうとっくに売れてなきゃおかしいでしょ、RAINBOWは2017年の曲なんだからさ。
もう一度誤解のないように言っておくと、決してたこ虹に実力がないと言ってるわけじゃないからね、そこを観てもらう前にまず覚えてもらうことを最優先で考えろってこと。
あの日のたこ虹はおいしかった
そういう意味で言ったら、あの日に演出家の佐々木敦規氏(あつのりん)から一番推されてたのはたこ虹でしょ。
実際ライブの後もNHKに出してもらったりとかなりの高待遇だったよね、Abema TVにせよNHKにせよ全国ネットだよ?
なんとかしてたこ虹を「おいしく」してあげようと、あつのりんなりに一所懸命に考えた結果があれだったんだろう。
まあ、たこ虹とあつのりんは過去にも因縁があるから、虹家族さんとしてはそこが引っかかったというのもあるんだろうけど。
とは言っても、たこ虹のメンバー自身はどちらの件もおいしいと思ったはずだよ、だから虹家族さんが怒ることはないとボクは思うんだよね。
だいたいさ、たこ虹は関西のグループなんだから(お笑いに強い)その特性を生かしたほうがいいでしょ。
レッドオーシャンの泳ぎ方
てゆうか、できることは全部やらないとレッドオーシャンでは生き残れないのよね。
さらに言うと、目標達成のためには嫌なことでもしなくちゃいけない時もある。
あ、そういう言い方をすると誤解を与えることになってしまうので補足すると、目標達成のために必要だと思うことはやったほうがいいってこと。
例えばスポーツの世界大会で優勝するための猛練習みたいなことね、誰だって苦しいことはしたくないけど、それをしないと目標達成できないとなったらやるでしょって話。
ということで、一つ面白い例を紹介しておこう。
イジリー岡田さんっているでしょ?高速ベロとか下ネタ系のお笑い芸人だと思われてる人。
そんなイジリーさんが実は下ネタが嫌いだと言ったら、あなたは信じる?
ええ。元々、僕は萩本欽一さんやチャプリンみたいな“温かいお笑い”に憧れていたので、今のような下ネタはやっていませんでした。むしろ、「エロや裸で笑いを取るのは卑怯だ」とさえ言ってましたね。
http://exci.to/2nSjAE3
「エロや裸で笑いを取るのは卑怯だ」に関しては、イジリーさんに限らずほとんどの芸人さんはそう思ってるんじゃないかな。
だって、お笑いを志すキッカケが下ネタや裸芸だったとは思えないもんね、はじめはみんなさんまさんみたいな華麗なトークで笑わせえている自分をイメージしてたはず。(どぶろっくだけは例外な気がするけど)
そんな人たちがデビュー当時には毛嫌いしていたはずの下ネタや裸芸をやるのはどうしてかというと、やっぱり他の方法では売れなかったからだろう。
以前にテレビで「とにかく明るい安村」さんが、年配の女性から「ちゃんと服を着なさい」って言われて「服を着てたら売れなかったんです!」って返してたけど、まさにそういうことなんだよね。
本来ならやりたくもないことをしてまでお笑いを続けてきたのも、その先に自分のやりたいお笑いがあったから、続けていたらいつかそれができる時が来ると信じていたからだろう。
今、イジリーさんは自分の劇団を作ってそこでもともとやりたかったお笑いをやってるみたいよ。
目標達成のために必要なことなら何でもやるべき
そんなわけで、嫌なことに直面したときには感情をいったん脇に置いて、それが目標達成のために必要かどうかを考えるといいよ。
さて、たこ虹の目標は甲子園球場でライブをすることだよね。
そのためには5万人の人に足を運んでもらわないといけない、そして5万人を集めるためには当然それよりはるかに多くの人に知っていてもらわないといけない。
となったら、知名度を上げるためのことは何でもしなくちゃでしょ?ももいろ歌合戦のあれもその一つだったってこと。
まあ、方法は他にもあるからもっといろいろ仕掛けていったほうがいい、どうせなら世間をアッと言わせるようなことをしたほうがいいよね。
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