前回記事は以下から。
夢実現のカギとなるエフィカシーとは?
コーチングの用語に「エフィカシー」というものがあります、専門用語ですが簡単な概念なのでこの機会に覚えておいてください。
エフィカシーとは、自己の能力に対する自己評価のことです。
簡単に言うと、その人が自分に何ができると思っているかということです。
例えば、あなたが「私(たち)は武道館でライブができる」と思っているなら、それがあなたのエフィカシーというわけですね。
人は自分が思ったとおりの人生を歩みますから、夢実現のためにはこのエフィカシーを高めることが大事です。
では、エフィカシーが高いとはどういう状態なのか、具体例も挙げながら説明していきますね。
最強ゴルファー、タイガー・ウッズのエフィカシー
タイガー・ウッズという名前を、あなたも聞いたことがあるかも知れません。
タイガーは20世紀末から21世紀の初めにかけて活躍したアメリカのプロゴルファーで、史上最高の選手とも称されています。(2022年現在まだ現役です)
2005年10月、タイガーは世界ゴルフ選手権でジョン・デーリー選手と優勝争いをしていました。
最終日の18ホールを終了して両者は同スコアで並び、決着はプレーオフにもつれ込みました。
ちなみに、プレーオフのルールは1ホールごとにスコアが上回った者が勝者となります。
1ホール目ドローの後の2ホール目、タイガーは先にパーで上がり、デーリーがパーパットを外せばタイガーの勝ちが決まるという場面。
この時、タイガーは何を考えていたのでしょうか?
その前に、あなただったらどんなことを考えますか?
たぶん「外してくれ!」ですよね、実際ほとんどの人はそう考えると思います。
でも、タイガーは「入れろ!」と思っていたのです。
デーリーが外せば勝ちが決まる場面にも関わらず、どうしてタイガーは相手がそれを入れることを願ったのでしょうか?
それは、自分こそが世界一のゴルファーだと思っていたからです。
つまりはそれがタイガーのエフィカシーだったんですね、次項で詳しく解説していきましょう。
ミスを願うのは弱いから
タイガーは、自分を世界一のゴルファーだと思っていました。
相手がどんなプレーをしようと自分はそれ以上のプレーができる(と思っている)ので、相手のミスを願う必要がないのです。
もしもそこでミスを願うようなエフィカシーであったなら、タイガーは負けていたでしょう。
相手のミスを願うということは、相手がミスをしてくれないと勝てない、つまりは自分のほうが弱いと思っているわけです。
そんなエフィカシーでは、そもそも世界のひのき舞台で戦うような選手にはなっていなかったはずです。
タイガー自身は最高のプレーで相手をねじ伏せようと思っていたので、相手にミスしてほしくなかったんでしょうね。
実際、デーリーはそのパットを外してしまいそこで決着はついてしまったのですが、タイガーは喜ぶどころかがっかりした表情をしていました。
試合後のインタビューでタイガーは、相手のミスによる勝利を受け入れたくなかったとコメントしていたそうです。
超ときめき♡宣伝部「ときクリ2021」で感じた一抹の不安
今回タイガー・ウッズ選手を例にエフィカシーについて書いたのは、ちょっと気になることがあったからです。
その気になることとは、「超ときめき♡宣伝部のどきどき♡クリスマスパーティー2021」(ときクリ2021)における小泉遥香さんの発言です。
ボクは現場にいたわけではないので2次情報になってしまいますが、音楽ナタリーによる書き起こしを引用します。
「このライブのタイトルの『他の女子とは喋らないで』は『愛Song!』の歌詞なんですけど、この間ちょっと思ったことがありまして。私は『カワイイ私と居たいでしょ?なら出し惜しみしないで 愛を! 他の誰かに取られていいの?キゲン損ねていいの?』という歌詞をみんなに歌ってるじゃないですか。私がみんなに同じこと言われてたら『絶対嫌だ!』って言うんです(笑)。だから、みんながほかの誰かに取られたり、機嫌損ねたりするのが嫌なんです! 大好きなんです。だから、ほかのところに行かないでいください。取られたくないの!」と内に秘めた宣伝部員への熱い愛を言葉に。
引っかかったのは、「みんながほかの誰かに取られたり、機嫌損ねたりするのが嫌なんです! 大好きなんです。だから、ほかのところに行かないでいください。取られたくないの!」というところです。
この言葉からは自信のなさが感じられますよね、いわゆる「推し変」が怖いということでしょうか。
これは「愛Song!」という曲の歌詞からの引用なので、小泉さん自身が本当に同じように思っているかは分かりません。
もしも本気で心配しているとしたら問題ですね、それについて二つの点を指摘しておきましょう。
推し変を恐れる理由は、一つには自分たちが他のアイドルよりも劣っていると思っているからですよね。
例えば、あなたが家電メーカーの営業スタッフだとしましょう。
自社の製品が他社の物より劣っていると思っていたら、それをお客さまにお勧めしますか?
もちろん仕事である以上それでもセールスはするでしょうけど、それだと後ろめたさを感じるはずです。
自信を持ってお勧めできないような商品を売るのって、お客さまに対しても失礼ですからね。
だとすると、「他のアイドルよりも劣っているけど推してください!」ってどうなんですかね?
あなたは、それでファンが付いてきてくれると思いますか?
付いてきてくれるファンがいたとして、その人たちは自信を持って「布教」ができるでしょうか?
もう一つ、推し変を恐れるということはファンを信頼していないということでもあります。
それもまたファンに対して失礼ですよね、そんなことではファンのほうもあなたたちを信じることができなくなるでしょうし、自信を持って推せません。
なので、もしも上記のように思って推し変を恐れているんだとしたら、タイガー・ウッズ選手のように「私たちは最高アイドルだ!」というエフィカシーを持ってくださいね。
なお、小泉さんの発言には続きがあります。
「目標に向けて走ったりするのって正直ものすごく怖いことだし、『できなかったらどうしようと』と思ったりももちろんします。でも、みんなもスタッフさんも私たちに『がんばってほしい』と本気で思ってくれているように、私たちも本気でこの活動に取り組んでいるので、絶対にみんなとなら乗り越えられると信じています」と力強く語った。
このように言っているのでボクの心配は杞憂(きゆう=無用な心配をすること)かも知れませんが、前述の部分については注意してほしいところではあります。
ももクロのエフィカシー
ところで、あなたの先輩であるももいろクローバーZ のリーダー、百田夏菜子さんはどんなエフィカシーを持っているんでしょうか?
2018年の『ももいろクローバーZ 10th Anniversary The Diamond Four ~in 桃響導夢~』での発言を見てみましょう、こちらも音楽ナタリーからの引用です。
「私は国立(2014年の東京・国立競技場公演)のとき、『目の前が真っ暗になっちゃったときはみんなのペンライトを目当てに進んで行けたらいいな』なんて言ったと思うんです。4人になるってわかったとき、本当に真っ暗になっちゃって、正直どうやって進んでいったらいいのかわからなくなってしまいそうな自分がいました」と声を詰まらせた。
冒頭では不安を口にしています、完璧な人間などいないので時にはエフィカシーが下がることだってあります。
「みんなにたくさん笑顔を届けたいって言いながら、すごく悲しい思いもたくさんさせてしまって。でも5人で最後のライブをしたときに、みんながいる景色を見て、『進んでいってもいいのかな』っていう気持ちに少しなることができました。あの日、れにちゃんがみんなに『付いて来い!』って言ってくれてすごくカッコいいなって。私も言いたかったけど、なんか言えないと思ったりもしたんです。でも、今こうして東京ドームでのライブを迎えて。今なら自信を持って言える気がします。まだ4人でできることはたくさんあるし、やりたいこともたくさんあるし、ももクロだからできること、みんなとだからできることを、ちゃんとやっていきたいなって。アイドルが最強だって、ももクロってホントに楽しいって。そんなふうにもっともっとたくさんの方に思ってもらえるようにがんばりたいと思います」
この年の1月、ももクロは幕張メッセで「ももいろクローバーZ 2018 OPENING ~新しい青空へ~」を行い、そのライブを最後に有安杏果さんが卒業しましたね。
その時の高城れにさんの言葉、「付いて来い!」は精一杯の強がりだったんだろうと思います。
百田さんは、そこで高城さんと同じように言えなかった葛藤を語っています。
注目すべきは後半部分、「アイドルが最強だって、ももクロってホントに楽しいって。そんなふうにもっともっとたくさんの方に思ってもらえるようにがんばりたいと思います」というところです。
「そんなふうにもっともっとたくさんの方に思ってもらえるように」と言っていますから、すでに多くの人にそう思ってもらえていると思っているわけです。
つまり、「アイドルが最強だって、ももクロってホントに楽しい」って百田さん自身が思っているってことですね。
それが百田さんのエフィカシーであり、トップアイドルはそんなふうに考えているということです。
そして、最後は以下のような言葉で締めくくっています。
「ちょっといい人ぶると、みんなが笑顔になる理由が私たちじゃなくてもいいって本気で思うんです。でもちょっとだけ欲を言うと、その理由が私たちだったらいいな、なんて思います。みんなにもっと笑顔を届けられるように、みんなともっとたくさんの景色が見られるように、歩いていけたらいいなと思います。私たちのこれからに興味あるよって人! よし、お前ら全員付いて来い!」と熱い思いをぶつけた。
「お前ら全員付いて来い!」、そう言えるのが最強アイドルのエフィカシーです。
さて、今のあなたと比べてどうでしょうか?
「ももクロさんがそんなふうに言えるのは実績があるからだ」そう思ったとしたら、以下の記事を読んでみてください。
というか、この「スタプラアイドルさん向け まだ何者でもない無限の可能性を秘めたあなたへ」シリーズを一から順に(何度も)読み返してみてほしいですね、あなたに必要なことはすべて書いてきましたから。
このシリーズは、ただあなたの夢を叶えるためだけに書いています。
どうしてそんなことをしているのかと言えば、あなたがが夢を叶えたその姿をボクが見たいからです。
そんなふうに思っている人は他にもたくさんいるはずです、なので自信を持って進んでくださいね。
その夢は叶えていいんです、あとはあなたが自分自身に「夢を叶えていいんだよ」って許可を出すだけでいいんです。
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