ファンは海賊盤に手を出すか?
以前にも紹介した「日本のアーティストを売り込め! 実践者が明かす海外攻略の全ノウハウ」という本に、以下のような記述がある。
ファンからすればいち早くアルバムを聴きたいわけで、海賊盤が横行することになる。海賊盤業者は日本の CD を入手後、CD-R に違法コピーし販売する。ジャケットやブックレットも見るからに海賊盤と分かるクオリティーの低さ。それでも販売価格が正規盤の5分の1程度なので、ファンが買てしまうのも無理はないと諦めていた。一方で常日ごろから啓発活動をしないと海賊盤ばかり売れ、現地のレコード会社の売り上げに大打撃を与えているという事実も理解した。
(中略)
ファンの意識調査の結果に驚いた。もし正規盤が海賊盤と同じスピードで販売されたら、間違いなく正規盤を購入するという意見が多かったのだ。海賊盤しか選択肢がなかったから購入していたという事実は私の気持ちをクリアにしてくれた。
「日本のアーティストを売り込め! 実践者が明かす海外攻略の全ノウハウ」日経BP刊P.104~105
これはまだ CD 時代の末期あたりの話だから、今ならサイトにアップしてそこからダウンロードさせるか、もしくはサイト上で聴けるようにしてアクセスに対する広告収入とかで稼ぐ形になるのかな。
「ファンの意識調査の結果に驚いた」って言ってるけど、運営側ってそういう認識なのかね?
だとしたらファンというものに対して信頼がないよね、まあそういう運営ばかりじゃないだろうけど。
正規盤と海賊盤があったらファンは正規盤を買うでしょ、海賊盤じゃあ推しにはお金が一銭も落ちないんだからさ。
ところで、今は既にサブスクが主流の時代だよね。
それを考えたら CD と配信は同時のほうがいいよね、せっかく気になる曲があっても検索に引っ掛からなかったらそこで諦めるか、海賊盤サイトに流れることだってあるだろう。
どちらにせよアーティスト、レコード会社(レーベル)にとっていいことはないので、ここは早急に改善してほしいよね。
例えばいぎなり東北産のニューアルバム「東京インベーダー」ね、これを解禁しないとか本当に意味が分からない。(後に解禁)
あとは私立恵比寿中学のライブアルバム「ちゅうおん」ね、これも何故か CD でしか出ていない。
これなんかもう本当にもったいないよね、エビ中の歌唱力をアピールできるチャンスなのに。
というわけで、サブスク配信を躊躇って(ためらって)いるうちに見えないところでチャンスを逃してることにはやく気づいてほしいな。
撮影OKのライブがあると知って
上記書籍にはライブの撮影のことも書かれていて、そこがとても気になったのでそれもここで一緒に紹介しておこう。
公演中のライブ撮影禁止は日本では当たり前であるが、中国ではライブ撮影自体が黙認されている。開場時のアナウンスで「録音、録画、飲食の禁止」を伝えたにもかかわらず、開演後さまざまな座席で録音、録画が行われていた。私を含む数人のスタッフが厳しく注意、撮影を制止するも、そこから離れるや否や雨後のたけのこのごとく撮影が再開されるといういたちごっこに。
結局開演後30分は会場を飛び回るだけで全くライブを見ることができなかったが、不思議なことに30分も経つと誰もが撮影を止め、肉眼でライブを見始めたのだった。
「日本のアーティストを売り込め! 実践者が明かす海外攻略の全ノウハウ」日経BP刊P.105~106
これはなんか国民性の違いなんだろうね、日本人は従順だから素直にルールに従ってるけど。
あと、これはなにも中国に限った話ではなくて、アメリカやヨーロッパなんかでも同じだよね。
ボクも BABYMETAL の海外公演のほとんどは、現地のファンが撮影した動画で確認してたし。
これに関してはあまり目くじら立てなくてもいいと思うのよね、むしろ SNS で拡散してもらったほうが宣伝になって得だと思うよ。
それに、所詮は素人がスマホで撮った低クオリティーの動画だから商品価値もないでしょ、音が割れてたりするしさ。
気になったというのはその後からの件、再び引用。
そこで思ったのが、どうせ最初から規制できないのであれば、撮影する権利を販売すればいいではないか、という逆手に取った発想だった。リリースされたばかりのニューアルバム CD とTシャツなど、最も売れそうな物販を1セットにして販売するセット販売は中国のファンにはうってつけではないかと感じたのだ。
ライブ撮影券はまだ現実には存在しないが、逆に SNS の興隆でスマホでのライブ撮影を許可するアーティストが昨今増えつつある。今でこそ特典や握手券付きの VIP チケットという、海外では当たり前の券種を日本のフェスティバルや公演でも販売するようになったが、当時はまだそこまでの発想が主催者にもなかった。自身にとっては大変刺激的な機会を得られた上海公演だった。
「日本のアーティストを売り込め! 実践者が明かす海外攻略の全ノウハウ」日経BP刊P.106
ちょうどこの本を読んだ直後に CROWN POP が撮影OK(写真のみ、動画は不可)のライブをやることを知ったので、試しに行ってみようと思ったわけ。
CROWN POP STYLE againとnextへ
ということで、2021年8月15日の「CROWN POP STYLE ∼again~」と「同 ∼next~」へ行ってみた。
席種は両部とも撮影OKの POPシートで「again」はステージの下手側、「next」は上手側でどちらも8列目くらいだったかな。
ちなみに、全席種とその詳細は以下のとおり。
●CROWNシートチケット
¥100,000
※数量限定で最前列の指定席を保証致します。
※応募人数が上限を超えた場合抽選になります。
※ささやかながらお土産をご用意致します。
※公演中自由に写真撮影が可能です。(動画撮影、録音はNG)
<お土産内容>
・スタッフお手製シークレット音源(1部/2部別)
・推しからのお手紙
・サイン入りランダムチェキ
●POPシートチケット
¥10,000
※2列目~10列目まで指定席を保証致します。
※応募人数が上限を超えた場合抽選になります。
※公演中自由に写真撮影が可能です。(動画撮影、録音はNG)
※広々と観ていただけるようにひと席間隔を空けた座席を保証致します。
●レスをロックオ~ン!シートチケット
¥6,000
※11列目~16列目までの指定席を保証致します。
※メンバーが肉眼で見渡せる範囲の座席となります。
※応募人数が上限を超えた場合抽選になります。
●バック・トゥ・ザ・ピーポーシートチケット(BTTPシート)
¥10,000
※4名1グループ席となります。
※チケット購入ページでは、BTTPシートと表記されます。
※17列目以降の指定席を保証致します。
※人々の後方席になりますが、4人ひとグループで楽しく連番が出来る座席となります。
※他グループとは間隔を空けた座席を保証致します。
※応募人数が上限を超えた場合抽選になります。
●2千円で申し訳ございませんシートチケット
¥2,000
※2階席の指定席を保証致します。
※1階席とはまた違った視点で観たい!という方にお勧めの座席です。
※応募人数が上限を超えた場合抽選になります。
ボクがチケットを購入した時点では、既に CROWNシートは売り切れていたのか表示されていなかったのよね。
なので、その存在を知ったのはライブが終わった後にクラポのサイトにアクセスした時だった。
100,000円の席なんてあったんだね、というか100,000円の席が売れるんだなんて、いくら最前のみで席数は少ない(10~15席くらい?)とはいえ正直ちょっと驚いた。
開演前に会場の座席数をざっと調べてみたんだけど、残念ながら両部ともソールドアウトはしなかったみたい。
それでも9割くらいは埋められてたんじゃないかな、それは当日の天候やこのご時世を考えたら健闘したほうだと思う。
あと、ざっくりと計算してみた限りではそれなりに採算もとれていたと思う、そこはあくまでも素人の予想だけど。
ライブ中の様子 写真撮影について
撮影OKということもあって会場内にはカメラを持った人も多かった、しかも望遠レンズ付きのガチなカメラもけっこう目に付いた。
まあそうだよね、前方の席とはいえ10列目とか後ろ目の席からだとステージまでそこそこ距離もあるし、それ以前の問題として少しでもきれいに撮りたいしね。
ちなみにボクはカメラは特に持たずスマホでの撮影だったんだけど、8列目だったからズームにしないと小さくしか映らなかった。
それでもボクは撮影がメインではなかったから、特に後悔とかはないのよね。
今回の目的は撮可ライブというものを体験することと、ただ純粋に初めてのクラポライブを堪能したかっただけだから。
そもそもボクがライブに足を運ぶ目的は、その時その場所にしかないものを味わうためだからね。
それだから、撮影しているとその間に大切な瞬間を見逃してしまう気がしてしまって、あまり写真は撮れなかった。
それでも少しは撮ってみたんだけど、最初のうちは MC の時ばかり撮ってたね。
でも、それだとどうしても同じような画ばかりになってしまうから、少しずつ歌唱中にも撮るようになった。
実際に撮影してみて分かったのは、動いている人を撮るのは思った以上に難しいということ。
なので、途中からは LIVE モードに切り替えて撮ったよね、後で修正できるように。
ひと通り撮影してみて思ったことは、しっかりとライブを観たい人にはあまりおススメではないかな。
ライブもしっかり楽しみつつ写真も欲しいというのであれば、カメラマンを同行したほうがいいね。
初クラポの感想は
ビジュアルについて
さて、今回初めて生でクラポを観たわけだけど、満足度は高かったよ。
ボクは「楽曲派」なので、このブログでも個々のビジュアルについては言及してきていないんだけど、ここ最近のクラポのビジュアル面の変化は特筆に値する。
目立って変わったのは髪型、髪色だけど、そのせいで以前と比べて格段に垢抜けたよね。
三田美吹さんとか黒髪ロングだった頃とは別人のようで、美人という表現がしっくりくる。
ボク自身はアイドルになるような人はもれなく皆かわいいと思っているんだけど、その中に「かわいい」よりも美人と言ったほうがしっくりくる人がいるという印象。
スタプラで言うとまずは元たこ虹の清井咲希さん、他にはばってん少女隊の瀬田さくらさん、いぎなり東北産の安杜羽加さんと北美梨寧さん、アメフラっシの愛来さん、超ときめき宣伝部の杏ジュリアさん、ukka の村星りじゅさんと芹澤もあさんで、三田さんも明らかにそっちの系統だよね。(あくまで個人の見解)
あと、その美人タイプではないけど(もちろん不細工という意味ではない)藤田愛理さんね。
「なりたいガール」の MV の髪型が特に似合ってるし、この人はなんといっても笑顔が素晴らしい。
ちなみに、笑顔が素晴らし系の人と言えば真っ先に出てるのが高城れにさんだよね、あとは ukka の茜空さん、いぎなり東北産の橘花怜さん、超ときめき宣伝部の菅田愛貴さんで、藤田さんも負けず劣らずのいい笑顔。
一番変わったのは田中咲帆さんかな、髪が伸びたというかエクステ付けてるのかな?一年ちょっと前まではショートだったよね。
このライブの時点では上記 MV 時より少し短くなってるから、それがエクステを外した本来の長さなのかな。
これも個人の見解だけど、田中さんはロングのほうが似合う気がするね。
でも外野の声は無視して自分がしたいヘアスタイルにすればいい、自分の人生なんだから。
里菜さんは逆に短くしたんだよね、ショートとセミロングの中間くらいの長さって言ったらいいのかな?
今くらいの長さがとても似合う印象だし、以前より大人っぽく見えるよね。
そして最後に雪月心愛さん、たこ虹に憧れてスタダに入ったって「もも行く」で言ってたな。
特徴的なのはちょっとたれ目気味の顔立ち、THEアイドル、正統派のアイドルってかんじのルックスだね。
パフォーマンスについて
クラポって元々は三田さんと里菜さんがメインヴォーカルで、他のメンバーがダンス中心のグループだったよね。
でも、いつからか歌割りも均等に近くなってきて、ポイントになるパートを二人が歌うスタイルに変わったのかな。
まあそれは皆の歌唱力が上がってきたからなんだろうね、実際「夏S」の頃と比べたらはるかに良くなってるし。
前述した「なりたいガール」の雪月さんの歌い出し、わりと難しいパートで YouTube にアップされてるライブ動画ではピッチがちょっと怪しかったんだよね。
それが、7月に出演した「フォーク村」の時にはしっかり歌えてたし、この日のライブでも問題なかった。
ボクはこの曲のイントロが流れるといつも、「今日は大丈夫かな?」って身構えて身体に力が入っちゃってたんだけど(歌うほうも緊張してるだろうけど)、もう心配はいらないかもね。
雪月さんって独特でいい声してるよね、一聴して雪月さんって分かるところがポイント。
アーティステックな三田さんとは正反対の声で、この二人が同じグループにいるというのがいいよね。
藤田さんと田中さんはとても歌唱が安定してきたし、ダンススキルは皆もともと高いのであと一年くらいしたら相当戦闘力の高いグループになると思うよ。
今回のライブは夏ということもあってあまり期待していなかったんだけど、「真っ白片思い」をやってくれたのはうれしかったね。
これは本当に名曲、最新曲じゃなくてもきっかけさえあればヒットするから、はやく見つかるといいな。
まとめ
今回のライブ、これまでのやり方が通用しなくなってきたこともあってか、撮影OKとかそれプラスお土産付きとか新しい試みをしていて好感が持てた。
おそらくは財政事情も大変だろうし、グループ存続さえ危ぶまれるようなギリギリの状況なのかも知れないけど、メンバーも携わっているスタッフもどうかあきらめないでほしいね。
こういう状況ってともするとマイナス思考に陥りやすいけど、いち早く適応できたら一気にのし上がれるチャンスでもある。
ぶっちゃけクラポにはここまで大した実績はないけど、それは守るべきものがないという恵まれた環境だとも言えるわけで。
平時ならなかなか序列を覆すのは難しくても、激変期だとそこまで難しくはなかったりするから、自分たちが天下を取るくらいに思っていたほうがいい。
今、クラポは結成以来最大のチャンスを迎えているんだよね。
だから、一年後には横浜アリーナくらい普通にやれてるかも知れないよ。
ということで、今こそが攻め時だから新しいことに果敢にチャレンジして飛躍してほしいね。
個人的には海外進出なんかおススメだね、中でも台湾とかいいと思う、過去には「行きたいわん(台湾)!」とか言ってたし。
台北アリーナでライブするとか夢あるでしょ、その全段階で1,000人規模のライブハウスでやるとかね、なんなら台北には Zepp もあるし。
もちろんそれは今の状況ではすぐにとはいかないけど、落ち着いた頃を意識して今のうちから情報発信することはできるよね。
そんなわけで、海外進出とか横アリでのライブ開催とか夢のある発表を期待して待ってる。
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