永遠の嘘をついてくれ アイドルの解散、卒業、脱退に思うこと

吉田拓郎さんの楽曲に「永遠の嘘をついてくれ」というのがある、1995年に発表された曲だ。

これは中島みゆきさんが書き下ろした曲で、拓郎さんが他のアーティストから楽曲提供を受けた初めてのケースらしい。(100%他の人が作った曲を出すのが初めてということ)

この曲は、みゆきさん自身のバージョンもあるのよね。

ちなみに、楽曲提供した曲を自分でも出すことをセルフカバーと言って、自分で作った曲であっても発表が後の場合は自分のほうがカバーしたことになる。

拓郎さん、みゆきさんともにYOUTUBE公式の動画は出していないみたいなので、興味があったら各自で検索してほしい。(下の「検索」をクリック!)

永遠の嘘をついてくれ 吉田拓郎 中島みゆき
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みゆきさんヴァージョンは以下のアルバムに収録されているので、購入してじっくり味わうのもいいと思う。

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ボクはこれを持ってた、過去形なのは訳あって紛失してしまったから。

聞きたくなかった言葉

この曲は、みゆきさんが拓郎さんから頼まれて作ったんだよね、二人で食事をしている時に「俺はもうファイト!(みゆきさんの曲)みたいな曲は書けない」と言われて。

そのカミングアウトは、みゆきさんにとってはものすごくショックだったんだろう。

もともと追っかけをするくらい熱狂的な拓郎ファンで、永遠のヒーローである人からのまさかの告白は決して聞きたくない言葉だったはず。

なので、

傷ついた獣たちは最後の力で牙をむく

放っておいてくれと最後の力で嘘をつく

嘘をつけ永遠のさよならのかわりに

やりきれない事実のかわりに

たとえくり返し何故と尋ねても

振り払え風のようにあざやかに

人はみな望む答えだけを聞けるまで

尋ね続けてしまうものだから

君よ永遠の嘘をついてくれ

いつまでもたねあかしをしないでくれ

― 中島みゆき「パラダイス・カフェ」より引用 ―

と綴っている、この曲は拓郎さんに向けたメッセージソングなんだね。

曲が書けなくなったなんて言わないでくれ、たとえそれが事実でも最後まで私をだましてくれ、一度は夢を見せてくれた君じゃないか、だまし続けたまま人生を終えてくれ、だまされたままで人生を終えさせてくれ、そういうみゆきさんの想いがちりばめられている。

言わない、聞かない

ところで、2018年10月のBABYMETAL、YUIMETALの長期休養からの脱退とか、2018年1月のももクロ、有安杏果さんの突然の卒業とか、他にもアイドルの卒業や脱退、引退があったでしょ。

そういう時にボクが思うのも、「永遠の嘘をついてくれ」なのよね。

事の真相を知ったところで明るい気持ちになれるような要素ってないと思うんだよね、むしろ知らなきゃよかったって話が出てくる可能性のほうが高いと思う。

まあ、多くのファンが知りたくなる気持ちも分からないではないけどね。

だからみゆきさんも、

たとえくり返し何故と尋ねても

振り払え風のようにあざやかに

人はみな望む答えだけを聞けるまで

尋ね続けてしまうものだから

と言っている、その上で

君よ永遠の嘘をついてくれ

いつまでもたねあかしをしないでくれ

って言ってるんだね、やっぱり聞くのは野暮だと思う。

それにね、個人情報に関わること(病気とか)で話せないこととかもあるかも知れない、そういうのを問い詰めたりなんかしたら酷でしょ。

そんなかんじの重い話じゃくてもさ、よく昔のアイドルさんとかが過去の暴露話してたりするよね、実は当時○○さんと付き合ってましたとかって。

需要があるからそういうこともするんだろうけど(あるいは芸能界での生き残りのために必死なのか)、ああいうのはホントやめたほうがいい。

それによってファンの中にある美しい思い出をぶち壊すことだってあるんだからさ、ちゃんと墓場まで持って行くべきことだと思うよ。

結論、やっぱり「永遠の嘘をついてくれ」

そんなわけで、当事者も運営さんはじめ関係者さんも、永遠の嘘をついてくれ、いつまでもたねあかししないでくれ、一度は夢を見せてくれた君じゃないか、である。

人生には知らないままのほうがいいこともある、幻想のままにしておいたほうがいいこともある、そういうこと。

PS. このアルバムは名盤、他の曲もぜひ聴いてみてほしい、個人的には「なつかない猫」が好き。

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PS.のPS. みゆきさんは楽曲配信はしていないようなので、聴きたい場合は今のところはCDを買うしかないみたいね。

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